【わかりやすい言葉で解説】メニエール病の原因・症状・検査・治療【まとめ】

メニエール病闘病記

こんにちは、シャチです。

今回は、メニエール病歴10数年の看護師シャチが、「メニエール病」について最低限医療用語を使わないで説明していきます。

どうかメニエール病についての理解がもっともっと広まりますように!

この記事をおすすめする人

・メニエール病について知りたい人

・メニエール病を患っている人

・周りにメニエール病の人がいる人

メニエール病とは

耳鳴り・回転性のめまい(ふらっとするめまいではなくグルグル回るようなめまい)・耳閉感(耳が詰まった感覚)・難聴を何度も繰り返す病気です。

発作を繰り返す間隔は人それぞれで、長期間発作が出ない人もいれば、短期間で何度も発作を繰り返す人もいます。

そして、発作を繰り返すたびに難聴が進行していく特徴があります。

原因

耳の中にある内耳とよばれる場所にあるリンパがむくんで水分が溜まってしまうことによってめまい発作が起こることがわかっています。

しかし、なぜ内耳のリンパがむくんでしまうのかという原因に関しては、詳しくわかっていません。

現在、このリンパのむくみの原因になると考えられているのは、「ストレス」や「寝不足」、「過度の疲労」、「気圧や天気など天候の変化」、「個人の性格(几帳面・真面目・完璧主義など)」などです。

症状

メニエール病の特徴的な症状はめまい耳鳴り耳閉感難聴の4つです。

そのほかにも、発作の重症度や個人差によって出現する症状もあります。

また、メニエール病の原因部位である内耳という場所は「聞こえの細胞が集まる場所(蝸牛)」「平衡バランス感覚を司る場所(三半規管・耳石器)」の2箇所に分けられます。

メニエール病の症状は、この内耳の2箇所ともがむくんでいる場合と、どちらか片方のみがむくんでいる場合とで現れる症状に違いがあるともいわれています。

「聞こえの細胞が集まる場所(蝸牛)」のみが強くむくんでいる場合には、めまいは感じずに難聴だけを自覚しやすく、むくみの程度が弱い場合には、難聴ではなく、耳閉感や耳鳴りのみを感じます。

「平衡バランス感覚を司る場所(三半規管・耳石器)」のみがむくんでいる場合は、難聴や耳鳴りは自覚せずめまいだけを起こすようです。

2箇所ともむくんでいる場合は、どちらともの症状が出現するようです。

めまい(回転性のめまい)

グルグルと激しく自分もしくは周りが回っているように感じるめまいが特徴的です。

私個人の体験談ですが、遊園地などにあるコーヒーカップコースターに乗って何分も何時間も高速回転しているような感覚のめまいです。

めまいの持続時間は数十分〜数時間と個人差があります。

めまい発作が起こる前兆として、耳鳴りや耳閉感が起こることもあります。

めまい発作が起きている時は、歩くのが難しいほどの状態になるので、メニエール病の発作の前兆があったら、すぐに安全で横になれるような場所に移動することが望ましいです。

耳鳴り

メニエール病初期の段階では、めまい発作が起こらなくても耳鳴りの症状を繰り返すことがあります。

個人差がありますが、めまい発作を何度も繰り返している人は、めまい発作が起きる前の前兆として耳鳴りが起こることがあります。

また、めまい発作を何度も繰り返している人は、めまい発作がない通常の状態でも常時耳鳴りがするのを自覚する人もいるようです。

耳閉感

耳閉感とは、耳が詰まったような感覚になる症状です。

エレベーターや飛行機などに乗った時に、一時的に耳が詰まることがあると思いますが、その時の感覚と同じようなものです。

耳鳴りと同じように、めまい発作が起きる前の前兆として症状が出る人もいます。

難聴

めまい発作と同時に難聴の症状が出ることがあります。

メニエール病に伴う難聴の特徴としては、左右どちらか片方の耳だけが低い音(低音域)が聞き取りにくくなりやすいといわれています。

また、めまい発作を何度も繰り返すたびに難聴の程度はどんどん進行していくという特徴もあります。

嘔吐・吐き気・下痢・冷や汗・頻脈など

そのほか、個人差がありますが発作中に同時に出やすい症状として、嘔吐・吐き気・下痢などの消化器症状や、冷や汗、頻脈(脈が一時的に早くなりドキドキする感じ)などがあります。

検査

聴力検査

メニエール病の場合は、発作とともに低音域の難聴が出現することが多いため、難聴の程度やどの音域が低下しているかを調べるために「聴力検査」を行います。

また、薬の効果や生活習慣改善の効果が出ているかを客観的に調べるためにも、聴力検査を行ったりします。

眼振検査

メニエール病の場合、発作中に眼振が現れる特徴もあります。

なので、特殊なメガネをかけて首をいろんな方向に動かし眼振が起こるかを調べる必要があります。

平衡感覚の検査

目を閉じた状態で片足で立つ「直立検査」と、30秒足踏みをする「足踏み検査」などがあります。

その他の検査

ここで挙げた検査の他にも、メニエール病とその他の病気と鑑別するためにレントゲン検査や温度刺激検査などさまざまな検査を行います。

治療

メニエール病は、今の医療技術では完治することはないといわれています。

しかし、症状を軽くしたり、発作を予防する方法はあります。

決してすぐに治るような病気ではありませんが、良くなる方法はあるので、ゆっくりと自分の体と向き合って焦らずに治療していきましょう。

生活習慣の見直し

メニエール病の発症原因と考えられている「ストレス」や「寝不足」、「過度の疲労」、「気圧や天気など天候の変化」などへの対応として、まずは規則正しい生活と適度な運動、こまめな水分補給(1日1.5〜2L)を目標にしていくことがあります。

生活改善していくことで、症状が軽くなったり、発症回数が減っていく効果が期待されます。

食事

食事面では、体がむくみやすくなる塩分の多い食事やアルコール、カフェインを多量に取らないように気をつけていくことが大切です。

運動

運動面では、30分から1時間程度の散歩からはじめていきます。

日々運動習慣を続けていくことで、体の循環(血の流れ)が良くなりむくみにくい体になっていく効果があります。

しかし、発作が頻回に起きている時期は安全面を考えて自宅や室内でできる運動に変えるなど、体の状態に合わせて毎日続けられるようにすることが大切です。

メンタル・精神

発症の原因の1つでもある「ストレス」は、きっと人それぞれ悩みの原因が異なります。

職場・学校関係や家庭問題、人間関係、引っ越しなどの環境の変化、家事育児など…多岐に渡ります。

根本的な問題をひとりで解決するのは難しいことも多いと思います。

そんな時は、一度その問題から物理的に距離をとってみることをおすすめします。

会社・職場や学校などであれば、数日休むなど。

きっとメニエール病の人は「休むなんてとんでもない!」「他の人に迷惑をかけちゃう」などと考えることが多いと思います。

私もそうでした。

「他人にまで迷惑かけられない。私が我慢すれば、頑張ればいいこと」って常に考えていました。

しかし、めまい発作が何度も繰り返すようになってくると正直立っていられないし、動くこともできない状態になり、結果として周りの手を借りなければいけない状態になってしまいます。

「周りに迷惑をかけないためにも、まずはしっかりと働ける体に戻す」ことの方が先決です!

薬物療法

抗めまい薬

メニエール病の症状の特徴でもある、めまいやそれに伴う吐き気を抑えるために抗めまい薬を使用します。

内服薬を飲むことができないときには、点滴などで症状を抑えるために使用します。

利尿薬

メニエール病は内耳のリンパがむくむことが原因とされているので、治療薬として体の中に溜まった水分を体外に出しやすくする薬(利尿薬)を処方されることが多いです。

抗不安薬

メニエール病の誘因でもあるストレス源への不安感がある場合には、精神の安定を目的に抗不安薬や精神安定薬が処方される場合もあります。

また発作を繰り返すことで、いつ発作を起こすかわからない不安感から外出が難しくなる場合もあります。

このような場合にも、使用されることがあります。

脳循環代謝改善薬

脳循環代謝改善薬は、内耳の血流を良くする目的で使用されます。

ビタミン剤

血流を良くしたり代謝を良くする目的でビタミンB12を処方されることがあります。

ビタミンB12は、普段の食事からでも摂取することができます。

【ビタミンB12を多く含む食品】

 ・レバー

・あさり

 ・しじみ

    など

ステロイド薬

ステロイド薬は、炎症を抑えて血流を改善する目的で使用されます。

発作の初期や急性期にだけ短期間で使用します。

漢方薬

上記以外にも、むくみを改善しやすい漢方薬などが処方される場合があります。

外科療法

メニエール病で手術を必要とする場合は、薬物療法を行っても治療効果が得られない場合です。

しかし、手術を必要とするパターンはごく稀といわれています。

手術方法は次の2つがあります。

内リンパ嚢開放術

内耳にたまりすぎたリンパ液を外に排出するための穴を開ける手術。

メニエール病で手術を必要とするときに、一般的に選択されやすい方法です。

前庭神経切断術

めまいの原因でもある平衡感覚を司っている神経を切断する手術。

内リンパ嚢開放術と比較すると、難易度の高い手術になります。

まとめ

今回はメニエール病についてまとめていきました。

メニエール病は、命に直結する病気ではありません。

しかし、メニエール病の当事者にとってはとてもしんどく辛いものです。

どうか、ひとりでも多くの方にメニエール病について知ってもらえると幸いです。

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